2014年07月21日 00:15
かつて地の荒廃著しく、散村すべからく人が絶え、僅かな貯えより生計を立てている者たちがいた。
地の大渦は大地を呑み込み、作物を衰えさせ、佇む地を泥濘へと変える。
尤も、民も荒廃するに任せるばかりではなかった。たゆまぬ努力の元、地を切り開き、橋を架け、納屋を建てた。
しかし、民のそういった努力を嘲笑うかのように、荒廃は日にその速度を増しながら拡散を強めていった。
努力に何の価値があろうか? 結果を出さなければ誰も救うことはできない。
村が完全に泥濘の最中に沈むに至る前に、さらに村より人は逃れていった。
泥濘の根源を断ち切りうるほどの力を求め、
「"戦闘竜"だって?」
「
2014年07月20日 16:17
草木も眠る丑三つ時の中、佇む影が一つあった。言わずと知れた花見エージェント「戦うの明日にしようよ」であり、彼はそうやって毎日戦うのを明日に引き延ばすことによって精神の安寧を得るし正々堂々剣を使う。彼はもちろんその日も戦うのを明日にすることにしてごろごろと布団の中に入って漫画を読んでいた。
しかし……彼の画像をよく見ていただきたい……彼の後ろには明らかに暗黒につながることを主張せんばかりの孔が開いており、このような暗黒から禍々しき存在が顕れることはことはもはや必然の理といえる。しかし彼は戦うのを明日にするつもりだったので別に気にしなかった。
彼が漫画を読み疲れて寝静まった頃……しかし
2014年07月20日 06:14
「月夜塵征くに来たりて、曰く彼我も叉、華に蒐る蜜蜂の群に相違たるはなし。鬨に汝、斯様な月夜に如何思案の基、出歩かんと考えずくや。華孰れの鬨に満ち邊とも、等しく塵芥へ還るは與こと哭かれ。」
「クッ……いったいどうすればいい……」
GMは悩んでいた。なんせ設定に「喋り方が文学小説っぽくめんどくさい」と書いてあるのだ。このめんどくささは半端ではない(セリフを考えるのが)。そもそも私が文学小説っぽいセリフを書けるんだったらとっくに文学小説家になっているのでは?
これに対する対策はひとつしかない……このキャラに一切喋らせる暇を与えない! これにつきる!
よってこ
2014年07月19日 23:35
星農家がヒマなので星を耕していたら地下から神様があらわれた。
「……」
「……」
「……ええ?」
「……」
星農家は考えた。なぜ神様があらわれたのかのようなどうでもいいことを考えたのではない。彼は長い間星を売ることで生計を立てすぎていたため神も売れないかどうか考えたのだ。もし神を売ったら星を売るよりもいい金になるかもしれない。地下からあらわれた神様はあまりにも巨大であり人間にはその一部しか視認できなかった。しかし人間には一部しか視認できない星ばかり売っている星農家にはそれほど関係なかった。
彼は神を見ながら考える。この神は星農家の間でか
2014年07月19日 22:36
「はあ……」
殺しても死なず、永劫の時を生きる黒髪黒目黒ストシューの少女はため息をついた。
花見エージェントとして雇われたはいいが、襲い来る花見モンスターの群れにほとほと嫌気が差していたのだ。
「まさかこんな僻地まで花見モンスターに毒されているなんて……ああっ数が多い」
ぼやいている間にも花見モンスターは次から次へと襲ってくる。えぬえむは持っていたアハツィヒの錬金釜を花見モンスターに投げつけた! 花見モンスターは錬金釜が直撃し、汚らわしい花汁をまき散らしながら絶命した。
「ふぅ……もしもの時のために錬金釜を持ってきてよかった。殴り、投げられ、ついでに錬金もできる。ああ! いいことを考えた。」